- 年に一度の玄界灘ダイビングで気分転換
- 衰退するダイビング業界の現状と生き残り戦略
- 自身のダイビングへの向き合い方の変化と今後の夢
1. 年に一度の玄界灘ダイビング
今年も海の日に玄界灘にダイビングに行ってきた。
大学の時のOBで潜る日を年に一回だけ設けるようにしてから、4回目となる。
ちなみに、前回のダイビングの記録はこちら↓↓
少しずつ参加人数が減ってきているけれど、仕方がないところだと思う。
結婚式や、出産、そして仕事など、イベントが多い年代なのである。
人数が少なくなっても続けていきたいと考えてはいるのだけれど、
来年は、ワンエクは小笠原まで探検しに行くそうで、調整が難しいかもしれない。
でもやっぱり、年に一回だけでいいので、ダイビングは続けていきたい。
体力はとても使うし、今となっては学生の頃のようなダイビング熱はないのだけれど、
ダイビングをすると、どこか自分の中に区切りがついて、リスタートできるような感じがする。
人によっては、海の中では無心になれるから好きだ、という人も多いのだけれど、
自分は寧ろ、海の中の方が色々と思考が回る。
そして散々考えた上で、振り切れるので達観したような清々しい気分になれる。
最近は仕事と研究でだいぶん煮詰まっていたので、割とよい気分転換になった。
折角なので、少しだけ写真と、Youtubeにアップロードした動画をのせておく。


サムネイルが張った画像と同じになってしまったが気にしない。
Go pro できれいに撮れているので、良かったら見てほしい。
2. 衰退するダイビング業界の課題
さて今回も、少し自分勝手にダイビングについて語りたい。
現在、ダイビング業界は衰退の一途を辿っている。
思えば、僕がダイビングを始めた15年前から衰退しているといえるのだけれど、
特に、この数年間はそれが更に加速した印象だ。
一つ目の原因は、業界側にある。
どう考えてもボッタクリな商売方式、若い労働力を法外に搾取する構造、
バブル期に一気に隆盛し、その後も稼ぎ方を変えなかった業界であった。
しかし今では、コロナや、最近の不景気が重なり、廃業するショップが増えている。
さらには、道具を作っていた会社が倒産したり、大手もダイビング業界から撤退したりと、取り返しのつかないところまで来ている。
一部の蓄えのあったショップも、いまは何とか株で儲けてやりくりしているだけ、
という所もあるくらいなので、未来は暗いだろう。
株で儲けたとて、そのうち負けるか、たとえ負けなかったとしてもダイビングに増資して再出発する筈がない。
一度、株で儲けた人間が、儲からなくなった本業に戻る確率は非常に低い。
また、消費者側から見ても、まだダイビングにブームがくる兆しはない。
インスタでも、流行に沿った動画が作られていて努力は見受けられるのだけれど、
内輪ネタで面白くないか、スベっているので集客につながっていない。
SNSでバズって流行となるためには、「手軽さ」と「映え」が必要である。
ダイビングにおいては、それが非常に困難なのである。
少し深堀して考えてみよう。
まず、参入障壁が高い。ライセンス取得費用や、必要な撮影機材などをざっと見積もってみても50万円くらい必要だ。
instaやGo Proなどのお陰で、水中にビデオカメラを持っていくのは昔よりはとても容易になったものの、耐水耐圧のためにはどうしても追加装備が必要だ。
そのうえで、安定した動画が撮れるくらいダイビングが上手になるには、さらに1年間くらいはダイビングを続けて、最低でも100本くらい潜る必要がある。
そのくらいダイビングハマったならば、おそらく殆どの人が、「バズりたい」なんて感情は消えていて、純粋に「ダイビング楽しい」になっている。
一応、それでもSNS向けに、更に映える動画を撮りたいと考えたとする。
その条件として、自分が見栄え良く写り込むことが必要と仮定すると、更に難易度は高い。
根本的に、人間は水中では可愛くない。特に顔が。
モデル体型の美女が、温かいサンゴ礁の海で、露出の多い水着でフリーダイビングをするならば話は別だが、
通常のファンダイビングでは人間より海の生き物たちの方が圧倒的に美しくて可愛い。
なので、ダイビングが好きで、SNSにあげている人たちも、
結局は珍しい、もしくは綺麗な生き物の写真や動画をアップすることが殆どである。
もう一点、問題点をあげるとすると、動画の編集が非常に面倒くさい。
水中では声を録音することができないからである。
頑張れば、水中で会話することは可能なのだけれど、動画に耐えうるかといわれると、それは不可能である。
結局のところ、世の流行には向いていないスポーツなのである。
そうやって色々と考えると、現在の業界縮小の流れは、あってしかるべき淘汰のように考えられる。
悪徳い商売を時代の移り変わりに適応せずに続けたならば、それは潰れるべきのである。
そんななか、いままで自分が関わってきた会社や団体も、栄枯盛衰さまざまである。
今回も含めて、ずっと僕がお世話になっているショップは、ひたすらにエキスパート達を相手にし続けて、東京の映画館で特別映像を上映し、来年は小笠原までアイランドホッピングしていくとのことだ。
非常に正当な進化を遂げていて、流石だなぁと思う。
また、僕も含めて代々の学生ダイバーがお世話になっている那覇のショップは、
現在のinstagramを始めとしたSNSを上手く活用して強く生き残っている。
毎日のように若い女性の水着のストーリーが更新されていて、客足は途絶えないようだ。
沖縄のような激戦区ではいかに客を呼んで、船に乗せるかが重要だ。
あと、自前の船を港に所有しているのも強い。
一度、船に乗せてしまえば、そこからオプションをつけていくのは幾らでも可能だ。
勿論、そこに不満を抱かせないサービスをきめ細やかに提供することが大事だ。
つくづく、それぞれの環境、対象の客にあわせて、最適な運営が出来るかどうかが重要だと思い知る。
どの業界でもそうだとは思うのだけれど、ダイビングはそれが非常に難しい業界だと思う。どうしても、自前の車、道具、船、そして伝手をもっていないと厳しい。
一番の問題点は、若手が非常に少ない。
独立したら、ケガや病気をしたら、それだけで一発アウトでもある。
大学生の時、自分もダイビング業界に入ってもいいかなと思ったが、やっぱり医者で間違ってなかったと思っている。
しかし、ダイビング全体の需要が減っているかと考えると、
意外とそんな事はないのではないかとも思っている。
確かに、現役ダイバーの高齢化は進んではいるものの、
ダイビングの楽しさ自体に大きな低下があるわけではない。(勿論、今回潜った玄界灘も温暖化の影響なのか、個人的に海の浅場が寂しくなったなぁとか思うところはあるが)
むしろ、最近のAI やSNS のせいで蔓延っているくだらないコンテンツたちのお陰で、ダイビングの価値は相対的に上昇していると考えいる。
ダイビング中は強制的にデジタルデトックス状況になるし、海の中で浮遊したり、綺麗な生き物を見たり、若干の恐怖心を感じたり、
現代に疲れた人々が本当に必要としているもので溢れているような気がする。
また、現在の物価高は逆風になっているかもしれないが、一方で、独身の若者が増えている状況はダイビングにとって有利な面もある。
これは昔からではあるけれど、観光客と常連を除けば、ダイビングのお客さんで最も大きな割合を占めるのは、独身女性看護師と独身男性経営者である(自分調べ)。
また、大学生からの人気も上昇しているようである。
前回のダイビングからご一緒させて頂いている長崎大学のダイビングサークルは、発足から拡大を続けており、いまや80人規模だという。
これは、「ぐらんぶる」という漫画のお陰かもしれない。僕が学生ダイバーの時に始まった漫画で当時は読んでいた。なんと、今も連載が続いているらしい。
大学生から最初から搾り取るのは難しいかもしれないけれど(最近の大学生は意外とお金をもっているけれども)、社会人になった後も、常連化することを目指せば、投資として申し分ない。
なので、もしこれから、ダイビングを仕事にしていこうと考えるならば、
①自前の船もしくはダイビングをフィールドをもっていて、かつ後継ぎが不足しているショップで下積みをする。
②そのうえで、近隣の大学や病院で、ターゲットを絞って集客する。
というのが勝ち筋なのではないかと思う。
実際にその路線を進んでいる若いダイビングインストラクターを見かける。
競争相手も少なくなっている状況なので、意外といける気がするし、頑張ってほしいなと応援している。
まぁでも、体力に自信があって、自分の身体だけが資本になるから、僕には到底真似できそうにない。
3. ダイビングの魅力と今後の夢
と、ここまでは仕事側の目線で書いてみた。
ここからは、消費者側としてのダイビングの魅力について書いていきたい。
そもそも、ダイビングの面白さとは何なのだろうか。
自分は子供の頃から魚が大好きで、
大学生になったら絶対にダイビングをはじめるぞ!と決めつけていた。
しかし、同じような人は、たまにはいるけれど実際のところ少数派である。
どちらかというと、釣り人のほうがそのタイプは多い。
一般的に最も多いダイビングを始めるきっかけは、
「(お金が出来たので)なにか新しいことを始めたい!」
もしくは、「旅先でダイビングをしてみたら凄く楽しかった!」の二つだ。
そして、運よく、よいダイビングショップに入って、ライセンスをとって、
ダイビングにハマることができたら、もう止まらない人が多い。
(勿論、キャンプと同じように、道具は揃えたけれど意外とハマらなかった人も多い)
社会人からダイビングにハマった人は、
本当にびっくりするくらい、殆どの週末と、大量のお金をダイビングにつぎ込む。
そのモチベーションとなるのは、これまたパターンがあり、
「他の人よりスキルアップしたい」、
「日本、世界の色々なところでダイビングをしたい」、
「珍しい魚や、綺麗な水中写真を撮りたい」、の3つが大きく占める。
そうみると、他の趣味と同じで、少なからず優劣をつけたがるのは、人間の性というものだろうか。
そして、大体の人が5年~10年で満足する。
体力が追い付かなくなったり、他のことで忙しくなったり、と理由は種々あるだろう。
自分もどちらかというと、もう満足してしまった方だと思う。
とはいっても自分の満足の仕方は、大学生の時に行けるところまでいってしまって、
今後の人生であの時以上にダイビングを楽しめる時期は絶対に訪れないだろうと確信しているからだ。
沖縄でヤニネコもビックリなゴミ屋敷に居候しながら、仲間内でタンクを借りながら潜りまわったり、合宿で大量の酒を飲んだ翌日にも吐きながらダイビングしたり、フィリピンでガイドしながらソロダイビングをしたり、トカラでサポートに入りながらも残圧を0にしたり、激流の中お客さんを助けて海上を一時間近く遭難したり、、、
今では怖くて到底できないし、体力的にも不可能である。
あと、ガイドをするようになってから、写真を取りたいと思わなくなった。
水中で姿勢を保持したり、上手に魚に近づいたり、ある程度の技術訓練には、水中写真撮影はもってこいだと思っている。
ただ、上手に撮りたいと思うほど、プロが撮ったのを見れば十分で決して敵わないし、プロの作品でさえも、実際の光景には敵わないと思うのだ。
それなのに、カメラを持ってダイビングをすると、上手く写真が撮れたかどうかでそのダイビングの評価が決まってしまう。
ガイドをしていた時、いろんな生き物に出会えて、とても楽しいダイビングだなぁと思っていたのに、お客さんが写真をうまく撮れなかったと悔しがっているのを見ると、なんだか勿体ないなぁと思ってしまった。
見た生物を記録しておくという目的以上に拘る必要はないと考えている。
むしろ、水中ライトをもっていった方が、よっぽどか楽しい(写真も撮りやすい)。
そんなこんなで、満足したダイバーたちはどうなるかというと、
年に一回くらい潜れればいいかなぁと思うようになるのである。
そこで人気なのは、奄美大島や西表島などの離島であったり、
自分の地元の海だったりでのダイビングではないかと思う。
メインは気分転換なのだ。
自分も、ダイビングで今行きたいところといえば、
トカラなどの激流ダイビングではなくて、辰口や糸島、玄界灘の懐かしいところか、
離島にリゾートでのんびりがてら、一日だけ潜りたいなぁといった程度である。
子供たちが大きくなったら、妻も含めてライセンスを取りに行って、
日本の離島や、セブやパラオなどの海外リゾートとか行ってみたいなぁと切実に思う。
4. おわりに
やや取り留めなくなってしまったが、
たまにしかしなくなったダイビングの良さについて書いてみた。
魚たちがしっかり泳いでるなぁと感じたり、船の上でスイカを食べたり、それだけでとても気分がよかった。
また、来年も企画出来たらいいなと思う。
2026年7月27日