- 壊れた吊るし雛の修理で柳川の人形店へ
- 高橋商店のユズスコと本吉屋本店の鰻を満喫
- 干物屋さんなど街に息づく伝統文化を実感
1. 柳川の魅力と吊るし雛の修理
観光に関してやや脆弱な福岡県ではあるが、柳川は太宰府に並んで日本に誇れる観光地ではないかと思う。
全国的に知名度は高くないけれど、倉敷の美観地区のような古き良き街並みと川、「さげもん」や鰻のせいろ蒸しなどの名産品、伝統的な日本古来の行事はどれもクオリティが高く、全国の他の観光地に劣らないものである。
川下りも、迫力こそないものの、生活と密接に結びついた水路とその文化を見ることができるので、一度は来訪する価値があると思う。観光地という側面もありながら、福岡都市部や久留米に近いために生活感も強く内包している魅力というものがあると思う。
二年前に娘が産まれて、雛飾りを、マンションでも飾りやすい吊るし雛にしようと柳川に訪れたのが最後であった。

目的の第一は、今年、そのつるし雛を飾って30分も経たない内に、娘に引っ張られて壊されてしまった紐飾りの修理である。
大学院生ならではの平日休みを利用して、思い立って柳川市旭町にある紙久人形店に向かった。
歴史ある地域一番の大きな人形店では、沢山のお盆飾りがならんでいて、とても美しかった。
お盆用のつるし飾りも作り始めたとのことで、これもなかなか格好の良いものだ。
最近の限られた住宅事情では、置いて飾るよりも吊るして飾るほうが好まれるのかもしれない。
端午の節句用の、こいのぼりのような吊るし飾りも最近は人気らしく、伝統や芸術が現代の生活との折り合いながら続いていくことは、喜ばしい。
昔ながらのお店らしく、立ち話をしながら紐飾りの交換をしてもらった。
こんな風にお店の人と喋るのも今となっては少ない機会だったと思う。直してくれたのは、おそらく近くに住む40か50代の女性で、紙久人形店で人形を作りながら技術を習っているのだそうだ。それもまた素晴らしい。
交換料はたったの550円であった。来年は娘に壊されないと良いなと思うけれど、また直しに来るのも悪くないなと思う。
2. 高橋商店で名物ユズスコを購入
折角なので、少し街ブラをしながら、車内から見て気になっていたお店に立ち寄った。
有明漬のお店である、「高橋商店」である。

何年か前に地元のテレビ番組か何かで見たことがある、ユズスコ(液体柚子胡椒でタバスコのオマージュ)を作っているお店であった。
せっかくなので、ユズスコ2種類と、芝海老の粕漬け、海苔の佃煮をお土産に買った。ここでも、店員さんと立ち話をして、昔ながらのお店が残っているのは良いことだなと思った。
店内には綺麗につるし飾りが飾られていた。こういうところが柳川の雰囲気のよいところだ。

粕漬けは独特な癖があり、少し苦手だったが、ユズスコはとても使いやすい。
3. 本吉屋本店で絶品うなぎのせいろ蒸し
お昼ご飯は、もちろん鰻である。
柳川といえば、鰻のせいろ蒸しである。そして、せいろ蒸しの発祥といえば本吉屋ということで、今回は初めて本吉屋の本店に伺った。6年ほど前に兄が結婚式を、柳川の藩邸 御花で挙げた時に、河沿いの沖端店で一度だけ食べたことがある。その時にも思ったことだが、ここは定食についてくる「白焼きの酢の物」がとても美味しい。

せいろ蒸しも、もちろん美味しいが上品な味である。
わずかにほろ苦く、甘すぎないけどトロリとした重厚感のあるタレに、せいろで蒸されて艶の出た大粒の米が旨い。
店内から臨むお庭も美しいし、茅葺き屋根の建物は風情があり過ぎるほどである。

近くの若松屋(かば焼きが有名)もよいが、柳川に来たらまずは本吉屋に行くべきだろう。とはいえ、いたるところに鰻屋さんがある。実は地元の人しか知らない隠れた名店などもあるのだろうか。
4. 街ブラで出会った干物屋さんと伝統
娘が幼稚園から帰ってくるまでには自宅に戻らなければならなかったので、「道の駅みやま」にでも寄ってサッと帰ろうと車を走り出したところ、なんとも目を引く干物屋さんが目に飛び込んできたので寄ってみた。

ここでも、魚のつるし飾りが飾られていて、柳川らしさがある。
この店は観光客を目当てにしているわけではないと思う。吊るし飾りが地域に根付いた文化なのだなと分かる。
伝統の特産品が、ここまで今なお地域に深く根ざしているのは、日本でも結構珍しいのではないだろうか。


最近、うちでは干物を焼くのが小さなブームとなっているので、イズカサゴとアジとサバの干物を購入して帰ることにした。
まだ、食べてないけれど、ワイン仕込みのサバの干物が名物らしく、どんな味なのか楽しみである。
最後. 充実の平日休みと今後の抱負
最後に、予定通り「道の駅みやま」に立ち寄って、軽くデザートを食べて帰路についた。鰻はどうしても食べたあとに口直しが欲しくなる。
最近見つけた美味しい鰻のお店である薬院の「うなぎ処 山道」では酸っぱすぎるヘベスのシャーベットがあるけれど、あれは考えられた酸っぱさであることは間違いない。
というわけで、短い時間ではあったが、平日の休みを有意義に過ごすことができた。
大学院生になって、当直の仕事など増えたけれど、自分で時間を作ることが出来るようになったのはすごくよい。最近は平日に家の周りで美味しいランチを食べる機会も増えているので、食レポなども日記にあげられたらいいなと思う。それこそ、ウナギの食べ比べ記事なども書いてみたい。
2025年6月7日